理事長所信

2019年度 理事長

一般社団法人 田原青年会議所
2019年度理事長

山崎 隆三やまざき りゅうぞう

はじめに

 私は、2010年にこの田原青年会議所に入会をいたしました。この9年間を顧みると、バブル崩壊から続いた失われた20年と呼ばれる経済活動の低迷、そこから脱却し好景気に突入したと言われるものの未だ混沌としている日本経済、また未曾有と呼ばれる災害の多発、このような激動の時代の中、田原青年会議所はその時勢にあった運動を展開し、この私たちの住み暮らす田原市と真摯に向き合い、この地域がより明るい豊かなまちとなるよう努めてまいりました。
 自然、文化、産業が絡み合い、調和のとれた田原市は、私たちにとってとても住みやすい環境を維持しています。しかしながら、今一 度立ち止まつてこのまちの未来を見据えると、他の地域と同様に少子高齢化や地域外への人口流出などによる人口の減少、特に若年世代の地元離れが今まで以上に顕著となり、まちの活気が危ぶまれています。
 これは、青年会議所運動を行う私たち責任世代にとっても無視できない問題であります。まちの未来はこのまちの子どもたちに受け継ぐものであり、今このまちの未来を担っている私たち責任世代は、この豊かで活気あふれる環境を子どもたちに受け継いでいかなければならないのです。
 それでは、私たち田原青年会議所はこれからどのようにまちと向き合っていけばいいのでしょうか。私たちは 「明るい豊かな社会」を実現するため、今なにができるのでしょうか。私たちには、私たちにしかできない取り組みがあるはずです。青年会議所は 「意識変革団体」であり、「先駆者」であると言われます。この地域に根を張る私たち責任世代が、より貪欲にこのまちをよくしていきたいと願い、様々な角度から挑戦をし続けることが、このまちの未来をより明るいものにしていくと信じています。
 時代は変化をし続けています。しかし変化は必ずしも進化を伴うとは限りません。ですが、進化は変化なくしてありえません。私たちは、創始以来の変わらぬ想いを受け継ぎつつも、変化を恐れるのではなく、むしろ自らが果敢に進化へと挑戦し、このまちの未来を創造してまいります。

個性を発揮できるフレキシブルな組織へ

 私たちの属する青年会議所は、単年度制の組織形態を取っており、追いかける理念は同じでも、その年々によって掲げるビジョンは異なり、その時勢に合った運動を展開することができています。しかしながら同じ組織として活動を行っている以上、どうしても「例年はこうだから」というような既成概念にとらわれることが多くなってきているようにも感じます。私たちはもっと自由に、この個性豊かな会員の力を発揮できる意識を会員内に浸透させ、運営していくことが今後より必要とされるように感じます。そのためには、組織についての考え方やリーダーシップについて考えを深め、またモノゴトの本質を見極める目を今まで以上に養う必要があります。そして何より、会員一人ひとりが今以上に「考える力」を手に入れなければなりません。これは一朝一夕で身に付くものではなく、常に意識をしながら日々取り組んでいく必要があります。会員一人ひとりが何事に対しても深く考え、それぞれの知識や経験をもとにモノゴトを判断してこそ、個性が発揮できると思います。そして組織の在り方にとらわれぬ、フレキシプルな関係を組織内で築いていかなければなりません。それが会員の個性をより高め、この組織をより活発的なものにしていくと私は信じます。

私たちの魅力を醸成し、魅力的な発信をする

 田原青年会議所はまちづくり団体です。このまちを想い、このまちが豊かで持続的に発展していくことを心から祈り、その実現に向け活動を行っています。そのためには、まず私たち一人ひとりが魅力的で、行動力あふれる人間でなければなりません。それが魅力的な組織の源泉であり、まちの未来の源泉とも言えます。そして、魅力的な組織にはひとが集まります。私たち田原青年会議所は県内各地の青年会議所の中でトップの対人口比率会員数を誇っています。これは素直に誇れるものであり、数が多いほど市民へ対する影響力も増大します。しかし、これは先人たちの力の賜物であり、その努力の積み重ねが作り出した結果です。私たちはその結果として出た数値に慢心することなく、今まで以上に全会員が一丸となって田原青年会議所の魅力を追求し、仲間を増やす努力をし続けなければなりません。そのためには、会員によって醸成されたその魅力を内に留めるのではなく、多く外へ発信をしていく必要があります。企業を例にするのであれば、魅力的な企業のプロモーション活動は、それ自体が魅力的であり、その商品の価値を十二分に伝えることができています。私たちもこの田原青年会議所の価値を魅力的に伝え、私たちの仲間を多く募ると同時に、田原市中にファンを作っていけるよう努めてまいります。それこそが、私たちがこのまちをより豊かにしていくための近道となるのです。

出会いの数だけ可能性が広がる

 「点と点が繋がり線となり、線と線が繋がりやがて面となる」誰もが一度ならず聞いたことがある言葉かと思います。ここでいう点とは、私たちが人生の中で出会う「ひと」や「もの」であったり、「経験」や「知識」といった形のないものの時もあります。私たちはその点を幾つも自分自身の中に貯めていき、ある時それが線として結ばれます。時には「ひと」と「経験」が繋がり、互いをさらけ出せるような親友と出会うことができたり、「もの」と「知識」が繋がり、新たなビジネスチャンスヘと発展することもあります。当然、点を多く持っている人の方が、より新たな可能性をひらめく瞬間が増えていきます。私たちが所属する青年会議所では、この点を増やす機会が非常に多く用意されています。そして、私たちにはこの地域を牽引していくリーダーとなるべく、自分自身の可能性を広げていく責務があります。私たちの持てる可能性を広げ、このまちの未来を創っていくために、また縦横無尽にこの人生を謳歌するためにも、豊富に用意されたこの機会を自分のものとしてまいりましょう。

夢を描き、夢を叶える

 「魅力的な人間」とは、どのようなものでしょうか。私の考える「魅力的な人間」とは、誰よりも大きな夢を語り、誰よりも足元をしっかりと把握し、目の前の問題を解決しながらも、着実に夢へ向かい行動を止めない人間です。そして、それこそが私たち、自社を発展へと導く経営者として、また地域を牽引していくリーダーとしてのあるべき姿と考えます。
 人生は、その人の持つ夢の大きさに概ね比例すると言われています。掲げた理想が大きければ大きいほど、その人の歩みも大きなものとなり、それは人間のみならず、企業などの組織についても同じことが言えます。大きな夢を語る人間こそ魅力的であり、その魅力的な人間が導く組織に属する人も同じように大きな夢を見ることができるのです。
 そして、私たちは、誰よりも大きな理想を抱くと同時に、誰よりも現実を見据えなければなりません。自らが置かれている状況と理想とのギャップを把握し、目の前に山積している問題と真摯に向き合い解決をしていく。そして、その行動は常に自分の目指す夢へと繋がるものであり、「絶対にやり遂げてみせる」という確固たる意志を持った人間こそ、自らの理想に近づくことができるのです。そのような人間力を備えた人材こそ、今この時代に必要とされていると私は考えます。

素直で心豊かな子どもであってほしい

 学校で勉強をしたところで、社会に出れば何の役にも立たない。大学は良い就職先を選ぶための手段である。このような考え方をよく耳にします。確かに現在の日本においてその考え方は、すべてが間違いではないと思いますが、教育の本質は全く違うところにあると私は考えます。私自身の解釈では、学ぶこととは「物事に対する理解を深め、考え、伝える練習」であると考えます。自らの意志で未来を切り開く力を身に付けることとも言えます。現に日本の教育方針も今までの暗記を中心とした所謂「詰込み型教育」から脱し、「主体的・対話的で深い学び」へとシフトしようとしています。知識のみならずコミュニケーションカや創造性が今まで以上に必要とされてくる証拠です。そして、その学びという活動は学校の授業やプログラムだけで養われるものではありません。家族や地域の大人たちとの会話、友達と遊んだ経験、初めて目にした美しい景色、思いもよらぬような不思議な体験など、その子が感じた全てが学びの種であり、心から楽しみ、驚き、喜び、時には涙を流すほど感動をするといった感清が学びの種を開花させると考えます。つまり、感情を揺さぶる経験こそが子どもたちの好奇心を育て、新たな学びを自主的に求めるようになると考えます。また、自主的に探究を始めると、時には失敗や困難に直面することもあるでしょう。そんな時でも挫けず、挑戦している自分自身を愛してほしいと考えます。私は子どもたちには、よく笑い、よく学び、素直に自分を愛せる子どもとなってほしいのです。そして、自らの意志で未来を切り開いていってほしいと願います。

唯一無二の田原の魅力

 私たちは、このまちを内側から見ていると、他の地域や都市部に比べ魅力が少ないのでは、と感じてしまうことがあります。しかしながら、このまちには四季折々にそれぞれの魅力があり、一年を通して国道には他県のナンバーの車が列を連ねています。確かに巨大なショッピングモールやアミューズメント施設があるわけでもなく、決して便利とは言えない交通環境かもしれません。しかしながら、そのような施設や交通網がなくとも、このまちは間違いなく住みやすい地域であり、実際に多くの観光客が訪れる地域です。三方を海に囲まれ、まったく違う表情を見せる海を南北に抱え、内海では海水浴、外海ではサーフィンが盛んです。また日本一を誇る農業大国でもあり、野菜、魚介、肉すべてがおいしく、そこで育つ花々も美しい。このような地域は日本全国探してもありません。私たちの住む田原市は間違いなく「どこにでもあるもの」でなく、「ここにしかないもの」を持っている地域です。しかしながら、今後のまちの未来を見据えると、このまちの魅力を現状維持するだけでは足りません。先人たちがこの地域に水を送り、わずか数十年でこの地の農業を日本一まで押し上げたような、この地域の特性を活かし世界最高峰のサーフィン大会を開催するまでに至ったような、この地域が持つポテンシャルを最大限に活かす活動を今後も行い続けなければなりません。そして、その活動は青熱と行動力であふれた若者世代が先頭に立って行っていかなければなりません。若者の活躍こそ、このまちの未来へと繋がるからです。私たち田原青年会議所もその一翼を担い、このまちの持つ可能性に果敢に挑戦してまいります。私たち田原青年会議所の活動は、私たちにしかできない方法で行っていくことに価値があるのです。

おわりに

 昨年は31年ぶりとなる愛知ブロック大会がこの田原の地で開催されました。これもひとえに、田原青年会議所特別会員の皆様、様々な面でご協力を賜りました田原市長を始めとする田原市行政の皆様、また日頃よりご理解、ご支援、ご協力を賜っております各種団体の皆様のおかげです。改めて厚く御礼申し上げます。
 そして、来年2020年には田原青年会議所は50周年を迎えます。これは、創立以来年輪のごとく活動を積み重ねられた先輩諸兄の弛まぬ努力の賜物であります。また、この9年間を顧みると、創立40周年に掲げられた提言「地域コミュニティ力No.1〜素晴らしき半島ライフ〜」、創立45周年に掲げられた活動指針「結〜市民(わたし)と地域(わたしたち)のために〜」という時代の流れに左右されない確固たる道標と共に、ひとつの集大成を迎えようとしています。
 大きな節目となる創立50周年を目前に控えた私たちは、今一度褌を締め直し、青年会議所としてのミッションを見つめ直す必要があります。そして、次の半世紀を見据えた視点を持ち、永続的にこのまちと共に歩んでいく田原青年会議所のありかたを摸索してまいります。
 最後に、会員の皆様。愛知ブロック大会を終え、創立50周年を目前に控えたこの2019年、今まで以上に私たち一人ひとりが成長をしていかなければなりません。それぞれが成長し、各個人の個性を十二分に発揮したとき、私たちは新たなステージヘと足を踏み入れることができると思います。私たち一人ひとりが成長すれば、この組織が成長する。この組織が成長すればまちが変わる。まちが変われば、子どもたちの未来が変わる。今こそ、20歳から40歳という情熱あふれる若き青年の力を思う存分に発揮し、「市民の意識変革団体」として、「時代の先駆者」として、このまちの未来を想い活動を展開してまいりましょう。私たちには、私たちにしかできないことがある。私たち一人ひとりが進化へと挑戦し、田原青年会議所の真価を発揮していこう。
 一年間、どうぞ宜しくお願いいたします。

2019年度 スローガン

進化から真価へ

基本方針

・個性を発揮できる組織の構築
・魅力の醸成、発信による組織の活性化
・可能性を無限に広げる行動力の醸成
・夢を描き、夢を叶える人材の育成
・心豊かな青少年の育成
・唯一無二の田原の魅力の創出

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