理事長所信

2023年度 理事長

一般社団法人 田原青年会議所
2023年度理事長

鈴木 嘉希津すずき かきつ

はじめに

 2022年、オミクロン変異株の感染急拡大による社会機能の維持に危機が迫り、中国のゼロコロナ政策による輸入・物流に関わる事業の混乱、さらにはロシアのウクライナ侵攻による資源の価格上昇が追い打ちをかけ、世界経済は大きく変動しています。私たちを取り巻く環境も、昨日の常識は今日の非常識、このように表現できる程これまでにないスピードで変化し続けています。まさに、私たちは混迷の時代を生きていると言え、この時代を生き残っていくためには、私たちはその変化とスピードに順応し未来を切り拓いていかなければならないのです。広い視野と深い思考を持って探求する運動こそが、これからの時代を生きる人々にとっての「明るい豊かな社会」を築く礎になるのです。いつの時代も青年会議所は、苦しい状況下であっても「明るい豊かな社会」の実現に向けて積極果敢に運動を起こし続けてきました。私たちは地域に希望をもたらす変革の起点として、時代の大きな変化を悲観的に捉えることなく、先達が築き上げてきた歴史と伝統を礎に、今こそ自らが当事者となり、一歩踏み出してこの地域の未来のために運動を推進してまいります。

情熱と思いやりを持った組織運営と魅力の発信

 青年会議所活動も時勢に合わせた変化が必要とされています。(一社)田原青年会議所も、会員の価値観に応じた組織変革が必要です。これまで脈々と育まれてきた大切な価値観・考え方を継承しつつ、新しい価値観にそった行動指針や組織体系の改善が必要とされます。それを実現していくのは事務局であり、組織運営の中枢を担っています。時代に合わせて変化しつつ持続可能な組織として、会員を理解し、多様性を認め合い、規律ある組織運営を行ってまいります。会の根幹を支えているという「情熱」を持ち続け、会員一人ひとりに思いやりの心を持って活動を支えていきます。
 昨今、SNSは私たちの暮らしに身近な存在であり、その存在を上手く利用することで沢山の人に魅力・情報を伝えることができます。様々な方面にネットワークを持つ私たちが、SNSを駆使して情報発信を行うことは、地域を想い率先して運動を展開する私たちだからこそ行える活動の一つです。青年会議所の会員が積極的に取り組んでいる姿だけでなく、地域の魅力も発信していくことで、より多くの共感を得ることができます。地域のブランド価値を高めることで、(一社)田原青年会議所のブランド価値も高めてまいります。

未来につなぐ仲間づくり

 本年度、(一社)田原青年会議所では青年会議所運動の理念と基礎知識を習得するために、新入会員のみで構成された委員会を設置しています。青年会議所の事業構築の過程を習得することが自身の学びや気づきとなり、それが自己の成長へとつながります。新入会員には青年会議所活動を通して地域で活躍できる人財へ成長して欲しいと考えます。
 一人では辛い時も仲間がいれば支えあえる。一人ではできない大変なことも多くの仲間となら大きなことができる。その時に一番の理解者となり一番の協力者となれるのが新入会員の同期です。青年会議所という新しい価値観に同時期に触れ、同じ体験を共にしてきた仲間だからこそ話せることもあります。「青年の学び舎」といわれている青年会議所で何事にも果敢に挑戦し、自己の可能性を広げ、難局にも打ち勝つ強い心を醸成していただきます。

組織を活性化することで多くの出会いがある

 魅力ある組織には自ずと人が集まります。組織にとって一番重要なのは人財であり、自己成長を求めた多くの人財が在籍すれば魅力ある組織へと近づきます。地域の明るい未来を創造するために生き生きと活動することが青年会議所運動の大きな推進力につながり、ひいては田原市のさらなる発展につながります。会員が増えることで地域の継続的な発展に寄与する人財が増え、多ければ多い程社会にインパクトを起こす大きなエネルギーとなります。そのために、私たちは新たな仲間との出会いを求め様々な場面で交流し、地域住民に意識変革を与えます。まさに、拡大活動そのものが自己成長につながり、組織の成長や地域社会への貢献にもつながると信じています。青年会議所の運動に共感を持つ仲間を増やし、志を同じくする多くの仲間と共に力強く運動を発信する組織へと進化します。

自ら考えて行動できる人財育成

 市場が縮小し競争が激化するなど、厳しさを増す経営環境のなかで、企業は従来のままでは立ち行かなくなってきています。特に中小企業は、自社の立ち位置を見極め事業活動の実態をしっかりと客観的に把握しなければなりません。見つめ直す経営によって、企業ならではのやり方で労働生産性を向上させ、数字に表れる成果に加え、多様な働き方の実現や従業員の能力開発といった必ずしも数字に表れない成果ももたらします。さらには、その成果が地域貢献や業界の発展といった、より大きな成果に結びつくことさえあります。あらゆる職業で社会ニーズや変化に対して自ら考えて行動することが求められており、地域に住む人が何にでも挑戦できる環境をつくる必要があります。自ら考えて行動できる精神を持ち、意識的に様々なことに挑戦することでリスクを恐れないチャンレンジ精神が身につき、思考力や創造力、問題解決能力を身につけることができます。さらには、この先降りかかる様々な逆境に遭遇しても、創意工夫で押しのけて新しい道を切り拓くことができる人財となります。

子と親に優しいまちづくり

 少子化が叫ばれ始めた1990年代、子育ては親の責任とする日本的な考え方が根強く、子どもを育てる親を取り巻く社会の状況は決して優しいものとは言えませんでした。その後、日本政府によって様々な対策が行われ、「少子化対策」から「子ども・子育て支援」へ考え方を転換しており、社会全体で子どもと子育てを応援する社会へと変化してきました。共働き世帯が当たり前になった今、行政による子育て支援や民間の支援団体の努力により、子育て環境はかなり充実してきました。しかしながら、仕事や育児に追われ子育て支援制度の存在すら知らない親もいる事実があります。支援制度を活用することは、お金や生活面だけでなく子育ての不安を解消し、子育てする親の心に余裕が生まれ、子どもの健やかな成長につながります。充実した環境を整えるためには、幅広い情報提供と制度を最大限に活かしていくための工夫や意識改革、民間と行政が一体となって社会全体で子どもを育む空気や文化をつくる必要があります。まずは私たちが社会へ情報発信するだけでなく、子と親に優しいまちづくり運動を起こし、子どもを産み育てたくなる社会を目指します。

未来を切り拓く青少年

 人間の価値観の変化や社会環境の変化は子どもたちに様々な影響を与えています。地方においては、子どもたちが色々な大人や生き方を含めた多様な情報に触れる機会が少なく、子どもの人生の選択肢を無意識のうちに狭めてしまっています。多くの選択肢を持つことができれば、様々なことを経験するきっかけとなり、知識や経験を積むことができます。「選択肢を自分でつくり出せること」が自分の人生を切り拓く上で大切な力となります。そのためには、周りの大人が子どもたちに選択肢やきっかけを意識的に与えることが重要です。多くの選択肢を子どもたちに与えることは、子どもたちの好奇心を刺激し、子どもたちが「もっと知りたい」「もっと学びたい」という探究心を生み出します。探究心に火がつけば子どもは自ら学び、自ら考え、主体的に行動できるようになります。主体性を持った子どもは何事にも積極的に挑戦し、行き詰って逃げ道が無くなったとしても他の選択肢をつくり出すことができ、自らの未来を切り拓くことができます。
 子どもたちのたった一度の人生。自分なりの目的地に向かって、試行錯誤しながら行動を重ねて、一歩一歩進んでいき、自ら未来を切り拓いてほしい、そう願っています。

おわりに

 私たちは「成功して当たり前」や「失敗することは恥ずかしい」という感覚がいつの間にか刷り込まれているのではないでしょうか。失敗を恐れてこれを回避し、自己保身を優先しては成長できません。誰かがやってくれるではなく、まず自分から行動していくことが大切です。行動することは、失敗する可能性もあるが、それ以上に機会を生み、行動を積み重ねることで、少しずつ自らを成長させていきます。そのためには、失敗することを恐れて行動しないのではなく、まず「動く!」。その行動が人も組織もまちも成長する機会になるのです。だからこそ我々は地域の先駆けとなり、常に前へ向かって運動を行っていく必要があります。そして、会員一人ひとりが青年会議所の目的や活動を続ける意義、組織の溢れる魅力を再認識し、心の底から「田原青年会議所が好きだ」と言葉に出せるような意識を醸成し、会員自らが活動を楽しみ、充実感を持って取り組みます。2023年度のスローガンを「前進~自らの一歩が未来を変える~」と掲げ、(一社)田原青年会議所創立53年目を未来に向けた新しい一歩と捉え、挑戦を楽しみながら前へ前へと推し進めてまいります。一年間、どうぞよろしくお願いします。

2023年度 スローガン

前進

基本方針

・情熱と思いやりを持った組織運営と魅力の発信
・未来につなぐ仲間づくり
・組織を活性化することで多くの出会いがある
・自ら考えて行動できる人財育成
・子と親に優しいまちづくり
・未来を切り拓く青少年

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