理事長所信

2018年度 理事長

一般社団法人 田原青年会議所
2018年度理事長

安田 弦矢やすだ げんや

はじめに

 「日本は平和な国」。私が生まれ育ったこの国は安心安全な国であると心から感じておりました。しかしながら、2017年に報道されたニュースを目にして、少なからずショックを受けた方も多いのではないでしょうか。北朝鮮情勢に代表される近隣外交不安、世界中で発生する度重なるテロ、そして憲法改正。グローバル化と共に世界情勢の影響を今まで以上に多く受ける我が国は今まさに変革期を迎えようとしています。
 人口減少、少子高齢化の進展、産業構造の転換など、目まぐるしく変化する社会に私たちが求められているものは何か。「明るい豊かな社会の実現」、この世に生を享け、親や家族、友人から温かく支えられ、生活に多くの苦難を味わってこなかった私たちが「豊かさ」をどのように受け止めているのか。私たちはその言葉の重みを改めて考える時期にきているのです。今求められる「豊かさ」とは物質的な豊かさだけでなく、心の豊かさを育むことであり、今それを与えることができるのは我々JAYCEEであると信じて活動を行っていかなくてはならないのです。

「自立」から「相互依存」の組織へ

 青年会議所は今も昔も20歳から40歳までの青年経済人で構成された組織です。組織体を形成しているがため、各地域、各時代の青年会議所の会員は理想の組織を追い求め活動してまいりました。では理想の組織とは何か。私は「相互依存」をし合える組織になることだと考えます。相互依存とは、個が自立したうえで、お互いに依存し合うこともできる関係性のことです。大切なのはまずは会員個々がしっかりと自立することがスタートであるということです。自立できず、依存している人は望む結果を得るために他人に頼るしかありません。それに対し、自立している人は自分の努力によって望む結果を得ることができます。そして、相互依存している人は自分の努力と他人の努力により最大限の成果を生み出すことができるようになるのです。私たちは、まずは個として自立したうえで、互いを信頼し、状況に応じて依存することもできるフレキシブルな組織を目指します。

自分たちの価値の伝え方

 私たちの活動は決して自分たちのためだけに行っているわけではありません。しかしながら、私たちの活動が地域にとって必要不可欠であると実感できている会員はどのくらいいるのでしょうか。情報発信ツールが多様化する中、私たち(一社)田原青年会議所も多くの手法を用いて自らの活動を発信してまいりました。それでも、私たちの活動が地域の方々へ認知されているという確信を持つことができていないのは何故なのでしょうか。私たちの活動のコンセプトを明確にし、ターゲットに向けて的確に伝えていく活動が圧倒的に足りていないのです。「誰に何を伝えたいのか」広報の基本に立ち返った発信を組織的に計画的に発信していく必要があるのです。しっかりとした広報活動を行うことで、地域の方々に私たちの活動を理解していただけるとともに、私たちも自分たちの活動に対し、誇りを持つことができるようになると考えます。

未来は自分たちが創るもの

 これから2年後の2020年、(一社)田原青年会議所は創立50周年を迎えます。これまでの期間に積み重ねてきたものは単に年数だけでなく、在籍された多くの諸先輩方から受け継がれてきた熱い想いです。組織を支えてきた人々、そしてその人々の想いが47年という歴史を刻んだ証となり、今も引き継がれているのです。しかしながら、この記念すべきときを迎えるにあたり、目を背けてはいけない課題があることを私たち現役会員は肝に銘じなくてはなりません。それは組織を維持するうえでも、組織を活発に運営するためにも必要な同志を増やしていくことです。これからの3年間で20名以上の会員が卒業を迎えるという現実を直視し、我々は次の世代にこの組織を引き継ぐため、行動を起こさなくてはならないのです。会員拡大における最大の壁は現役会員です。現役会員が自らの組織に自信を持ち、自らの組織を守りたいと心の底から感じられるかどうかが重要なのです。今日まで受け継がれてきた想いを今後も引き継いでいくため、想いを同じくする同志を一人でも多く増やしていく活動を行います。

自分にとっての「しあわせ」とは

 青年会議所の最大の魅力に「人」と答える会員はたくさんいます。私もその一人です。しかしながら、常に自問自答するのは、その魅力を最大限に活用した活動を私たちはできているのだろうかという点です。人を最大の魅力と唱える団体である私たちが本当に人との出会いを大切にできているのでしょうか。時代の変化に伴い、多くの価値観を表現し合える仲間と出会う機会を得た私たちは、今一度自分たちの選択について責任をもって考え行動していく必要があるのです。
 今から17年前、私が社会に飛び出していくことに緊張していた新入社員研修の中で、ある先生が「何のために仕事をするのか」を問われました。その答えは単純で「自分の幸せのため」というものでした。その言葉の意味には自分の幸せには家族の幸せ、友人の幸せ、仲間の幸せ、そしてこれから出会うであろう多くの人たちの幸せが含まれるからであると教えていただきました。これから多くの出会いの機会が与えられる青年会議所活動を行う会員には広壮豪宕に活動していただき、私は心の底から幸せになってもらいたいと願います。

強みを活かした地域経営

 「経営規模としては、むしろ小なるを望み、大経営企業の大経営なるがために進み得ざる分野に、技術の進路と経営活動を期する」これはソニー創業者である井深大氏が終戦の翌年、1946年の設立時に起草した設立趣意書に書かれた言葉です。いたずらに利益ばかりを追う利益至上主義の考え方ではなく、このような精神こそ戦後の日本の高度成長を支えてきたのではないでしょうか。東京一極集中という流れの中で、地方の中小企業は改めてこの想いを体現していかなくてはいけないのではないかと考えます。現在のマーケティングにおいては「マーケットイン」の概念に基づき、顕在化した顧客のニーズを重視するべきかもしれません。しかしながら、それだけで大企業に負けない力を中小企業が身につけることができるのでしょうか。私は自社の価値を見直し、独自性をもって潜在的な顧客のニーズに対してアプローチを行う「プロダクトアウト」の概念こそ今の中小企業が持つべきものだと考えます。そのためにも私たちは自己研鑽を繰り返し、青年経済人として改めて学ぶ姿勢を持ち成長を続けなければならないのです。

「ひと」と「まち」の未来を創る

 近年、「まちづくり」をターゲットにおいた地域団体は数多く存在します。その中で我々(一社)田原青年会議所は自分たちの存在価値をしっかり見いだせているのでしょうか。政府が掲げる地方創生とは「まち・ひと・しごと」の創生であり、基本的な考え方として「しごと」が「ひと」を集め、「ひと」が「しごと」を発展させ、「まち」に活力を与えるものです。では、私たちは「しごと」だけを頑張っていればよいのでしょうか。私はそれだけでは足りないのではないかと考えます。この地域にとって、人口流入を増やすこと以上に人口流出を防ぐことが大切であると考えるからです。
 田原市は住みやすいまちであると多くの市民が市民アンケートの中で答えられています。では、なぜ人口流出が進むのでしょうか。大人にとって住みやすいまち=子どもたちにとって住みたいまちではないということを証明しているのかもしれません。それでも私は、将来このまちに戻ってきたい、自分の育ったこのまちで自分の子どもを育てたいと心から感じられる人で溢れるまちにしたいのです。そのためにも目の前の問題点を解決することだけにとらわれるのではなく、子どもたちがこのまちに生まれ育ったことを幸せだと感じられる思い出をひとつでも多く心に刻み込んでもらうことが大切であると考えます。大人の都合で機会を失った子どもたちに多くの機会を与えることが私たち青年会議所に与えられた使命だと考えます。
 また田原市は非常に魅力的な地域資源を数多くもったまちであります。その地域資源の価値を今一度、地域内外に発信する機会を設ける必要があるのではないかと考えます。私たちの住むまちは隣接する市町村が限られ、決して道路交通面からみても恵まれているとはいえません。しかしそこに悲観するのではなく、このような地域だからこその創意工夫を凝らし地域の魅力を伝えていかなくてはならないのです。

おわりに

 本年度、(一社)田原青年会議所は31年ぶりに「第51回愛知ブロック大会 田原大会」として主管を担わせていただきます。県下最南端に位置し、三方が海に囲まれた自然豊かな田原の地、そして副主管を担っていただく東三河の魅力を存分に感じていただき、新しい時代を切り拓く節目の大会として、皆様の心に残る大会を構築してまいります。
 これからの3年間で半分近い会員が入れ替わり、時代と同じく(一社)田原青年会議所も一つの変革期を迎えようとしています。物事を変えるということはエネルギーを使います。それは決して楽なことではありません。苦難に背を向けず、楽な選択ばかりするのではなく、将来への期待感、自分たちへの期待感をもって邁進することにより、この(一社)田原青年会議所の歴史を刻んできた先人たちのように想いを受け継いでいくことに繋がるのではないでしょうか。
「苦しみてのちに楽こそ知らるなれ 苦労知らずの楽は味なし」
一年間、どうぞ宜しくお願いいたします。

2018年度 スローガン

継往開来

基本方針

・「自立」から「相互依存」の組織への転換
・自分たちの価値を発信する広報
・未来のための人材発掘・人材育成
・自分にとっての「しあわせ」をつかみとる
・強みを活かした地域経営
・「ひと」と「まち」の未来を創る

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